圧巻のCB陣と今後に更なる期待のツィミカス&エリオット バーンリー戦振り返り

  プレミアリーグ第2節、バーンリー戦が土曜日のランチタイムキックオフで行われました。結果は2-0でリバプールの勝利。イングランドでは新型コロナウイルス感染拡大防止のための行動制限が解除され、528日ぶりの満員のアンフィールドとなりました。

試合概要

 序盤はバーンリーのアグレッシブなプレスに苦しんだリバプール。バーンリーは非常に積極的にリバプールのディフェンスラインにプレッシャーをかけ、ゲームの主導権を渡しませんでした。リバプールはクリアボールの回数が多くなって主導権を握れず、自陣でのボールロストも散見されました。バーンリーはボールを奪うと可能な限りシンプルに前線に運ぶスタイルが特徴。裏への放り込みや、クロスからチャンスを創出していました。

 ゲームの主導権を握ろうと模索するリバプール。ポゼッションを試みますが、効果的なチャンスは作れずにいました。そんな中でジョタの先制点。ツィミカスの質の高いクロスとジョタのマークを外す動きが嚙み合ったゴールでした。試合内容の文脈を飛び越えてゴールを奪えるのは強いチームの証です。先制点を奪って以降はゲームの主導権も握ります。ボールを支配してバーンリーを押し込み、チャンスを何度も創出して、セカンドボールを回収し続けます。相手のFW陣へのボールもマティプとファン・ダイクが封殺。後半にはマネの追加点も生まれ、リバプールの快勝となりました。

ゲームのポイント① 復帰したCB陣

 このゲームでまず印象的だったのは、リバプールのCB陣のパフォーマンスでしょう。昨季は怪我により壊滅したCBですが、今季はマティプとファン・ダイクが開幕節より復帰。クリーンシートを続けています。バーンリー戦では、相手のクリアボールをほとんど封殺。クリス・ウッドとアシュリー・バーンズが良い形でボールを収めるシーンは見られませんでした。また、エリア内でのクロス対応でもリバプールの両CBは強さを発揮。特にマティプは相手のクロスやコーナーキックを何度も跳ね返し、エアバトルの強さと安定感を見せつけました。

 そして、攻撃面でも脅威になったのがファン・ダイクのロングフィード。右サイドに出す対角線のロングフィードを数本成功させ、そのうちの1本はマネの追加ゴールの起点となっています。昨季終盤、CBの緊急事態によって定着したナット・フィリップスとリース・ウィリアムズのコンビも安定したパフォーマンスを披露していましたが、トップクラスのCBの実力を見せつける、圧巻のパフォーマンスを披露。攻守に違いを生み出しました。

攻守で圧倒的なパフォーマンスを見せたファン・ダイク

ゲームのポイント② ツィミカス&エリオット

 次に大きな注目点だったのは、ツィミカスとエリオットのパフォーマンスです。ロバートソンの負傷で開幕節からチャンスを得ているツィミカス。昨季の加入からは負傷もあり、あまりプレー機会を得られていませんでした。しかし、バーンリー戦ではアシストを記録し、Player of the matchにも輝いています。ジョタの先制点を生んだクロスや、コーナーキックからも、左足の精度の高さが伝わります。また、後方でのビルドアップも正確。左利きの左サイドバックとしては珍しく、好んで右足を使うため、相手に選択肢を絞らせない利点があります。バーンリー戦では守備面でも脅威に晒されることはなく、今季の活躍が期待される選手です。

Player of the matchにも選ばれたツィミカス

 そして、リバプールでのプレミアリーグでスタメンデビューとなったのが18歳のエリオット。昨季はチャンピオンシップのブラックバーンにローン移籍し、41試合で7得点11アシストを記録しています。ブラックバーンでは右ウィングとしてのプレーが主でしたが、クロップはプレシーズンからインサイドハーフで起用。2節にしてスタメン出場のチャンスが巡ってきました。この試合では、サラーに何度かスルーパスを送るなど、攻撃面で特徴を発揮したエリオット。守備面でも精力的にボールを奪いに行こうとする姿勢が見て取れました。

 これまで、クロップリバプールのインサイドハーフは攻守にバランスと取れる選手が務めてきました。ヘンダーソンやワイナルドゥムは、ボール奪取能力が高く、攻撃面でもボールを前に運ぶことができる選手です。そうした選手と比較すると、エリオットは明らかに特徴が違います。より攻撃的な選手で、テクニックを活かしてゴールに直結するプレーを強みとしています。バーンリー戦では、何度も相手ペナルティーエリア内へのランニングを行っており、これまでのインサイドハーフの選手との違いが見受けられます。クロップはエリオットを起用することによって、チームとしての新たな戦い方を模索している可能性もあり、今季を通した活躍に注目したい選手です。

活躍が期待されるエリオット

次節はホームでのチェルシー戦

 バーンリーにホームで快勝し、開幕2連勝を飾ったリバプール。次節はホームでのチェルシー戦です。昨季、チャンピオンズリーグを制覇し、今夏にはルカクを加えたチェルシー。今季は開幕節でクリスタル・パレスに3-0、2節でアーセナルに2-0で勝利し、連勝を飾っています。リバプールにとっては今季最初のビッグマッチ、相手は充実のチェルシー。次節は注目のゲームになりそうです。