アウェイでの快勝 ポルトvsリバプール 振り返り

 日本時間8月29日(火)早朝、チャンピオンズリーグリーグ、グループステージ第2節、ポルト-リバプールの試合がポルトのホームスタジアム、エスタディオ・ド・ドラゴンで行われました。結果は、1-5でリバプールの勝利。スコア、内容とともにリバプールの快勝となったゲームでした。

リバプール:ロングボール多用の序盤

 この試合、リバプールは立ち上がりにかなりの数のロングボールを活用していました。試合序盤はリスクを最小限にしたいという狙いがあったかもしれません。序盤は後ろからリスクを取ってボールを繋ごうとはせず、シンプルに裏を狙うボールを多用することでダイナミックな攻撃を仕掛けました。リバプールとしては、ロングボールで全体を前に押し上げ、前線から激しくプレスをかけていくという狙いもあったでしょう。

 対するポルトは、リバプールにある程度ボールを持たれる想定でゲームに入っていたでしょうか。4-4-2の守備ブロックを基調に、カウンターでの攻撃を狙う序盤でした。選手の戻りは非常に早く、自陣にスペースを空けない意識が徹底されていました。この辺りは非常に統率が取れており、良いチームという印象を抱きました。

 シンプルに縦への早い攻撃のリバプールvs素早く帰陣し、守備に重きを置くポルト、という構図となった序盤。相手陣内でもリバプール攻撃陣は手数をかけずにゴールに迫ろうとするシーンが見られ、その結果危険な奪われ方をするシーンも散見されました。

ポルト:慣れないインテンシティと個の力

 リバプールの最初の2点はポルトディフェンスのミスからの得点と言えるでしょうか。2点ともポルトディフェンスとしては対応が難しい状況ではありましたが、守備側のチームとしては守り切りたい局面でした。反対に、リバプールとしてはあのような形で先に2ゴールを奪えたことは幸運だったでしょう。ゲームの支配を強めていたリバプールでしたが、危険なボールロスト等もあり、先がわからない試合でした。そんな中での2得点は非常に大きかったでしょう。

 最初のゴールを奪ってからのリバプールは、徐々に試合を支配していきます。引き続きシンプルな攻撃は多いものの、ボールを奪われた後のプレスが炸裂します。相手にボールを奪われるとすぐさまボールを狩りに行き、ポルトにカウンターの機会を与えません。前線の選手がボールを奪われた瞬間、ファビーニョやロバートソンが前に出て行って相手からボールを奪う姿が何度も見られました。また、カーティス・ジョーンズが非常にピッチの広い範囲をカバーしており、相手からボールを奪い返すシーンが目立ちました。

 リバプールとしては、週末のリーグ戦で引き分けたブレントフォード戦が頭にあったでしょうか。ブレントフォード戦では相手のカウンターの芽を潰しきれず。何度も効果的な攻撃機会を与えてしまいました。相手CFにボールを収められ、前を向かれるシーンが目立った試合でした。しかし、この試合ではマティプも非常にアグレッシブに相手CFへのチャレンジを行っており、ボールを奪い切っていました。

 このような激しいカウンタープレスにポルトは非常に苦戦していました。スペインやイタリアに地理的、文化的に近いポルトガルでも、やはりイングランドやドイツよりもスローペースな試合が基本となるのでしょうか。グループステージ第1節ではミランも非常に苦しんだ、リバプールの激しいプレスを回避できずにいました。

 また、各所で個の能力の差があったのも事実でしょう。各所でポルトの選手はリバプールの選手との1対1を制することができませんでした。組織的に守備を作り、ゲームを膠着させることができなかったポルト。オープンスペースでの1対1では、局面を優位に進めることは難しかったでしょうか。

首位リバプール 次節はA・マドリーと対戦

 死の組と呼ばれるグループBにおいて連勝スタートを飾ったリバプール。良い序盤となったのではないでしょうか。グループBのもう一試合では、アトレティコ・マドリーがアウェイでミランを2-1で下しています。

 前半はミランが勢いを持ってアトレティコ・マドリーを攻め立てる内容で、早々にレオンが先制点を奪います。しかし、フランク・ケシエが前半30分も立たずに2枚目のイエローカードを貰って退場。その後は粘り続けましたが、84分にグリーズマン、90+7分にスアレスのPKによって被弾しました。10人となるまでのミランのゲーム内容を見ていると、勢いがあって強いチームという印象をアトレティコ・マドリー相手にも見せつけていました。

 一方のアトレティコ・マドリーも、粘り強く勝ち切る力は一級品です。今季、アディショナルタイムに勝ち越しゴールを奪って勝利するのは、リーガでのエスパニョール戦、ヘタフェ戦に続いて3度目です。思い返せば2年前、CLのベスト16の舞台でリバプールと対戦した際にも、延長でゴールを奪われています。その時は敗退に追い込まれた苦い記憶のあるリバプール。次節は日本時間10/20(水)、アトレティコ・マドリーのホーム、ワンダ・メトロポリターノに乗り込みます。

 死の組における戦いの行方はまだまだわかりません。3連勝として、リーグ抜けを一気に近づけたいところです。