イングランド北西部の港街、リバプールは世界的にもよく知られています。大英帝国の歴史にとって重要な役割を果たした港街であり、あのビートルズを生んだ街でもあります。また、当ブログで応援しているサッカーチームのリバプールFCの本拠地でもあります。
今回の記事では、そんなイギリスの街、リバプールについて紹介していきます。筆者も2018年に一度訪れており、その際の経験などから、観光スポットなどを紹介していきます。
イングランド北西部の港街 リバプール
リバプールは、イングランド北西部に位置する港街です。大英帝国時代に世界各国や植民地の各地域との貿易の拠点として発展し、現在でも英国の主要都市のひとつとなっています。貿易の拠点となっていたリバプールの港湾地区は、「海商都市」として世界遺産に登録されていました。
歴史的な価値のある建造物や、博物館もたくさんあるリバプールの街ですが、2021年にユネスコによって世界遺産から抹消されています。港湾地区の再開発が進んだことにより、世界遺産としての真正性が失われたことが理由の様です。日本でも大きな話題になった出来事でした。
そんなリバプールで有名なものと言えば、フットボールとビートルズです。フットボールにおいては、リバプールFC、エバートンFCの2チームがイングランドプレミアリーグに所属しています。伝統と歴史のあるこの2チーム同士の対戦はマージーサイドダービーと呼ばれ、街中を熱狂に包み込みます。特にリバプールFCは欧州の強豪チームの一つで、世界中にファンを抱えています。筆者もその一人として、2010年頃からリバプールFCを応援しています。
また、世界的に有名で偉大なロック・バンドであるビートルズの出身地としても知られています。若き日のビートルズが演奏していた地など、リバプールにはビートルズにゆかりのある場所が多くあります。筆者はあまり音楽には詳しくありませんが、ビートルズの足跡は確かに感じました。
リバプールへのアクセス
リバプールへのアクセスについてですが、日本からリバプールに行くためのルートはいくつかあります。筆者がリバプールを訪れた際には、飛行機でリバプールのジョン・レノン国際空港から英国に入国しました。リバプール出身でビートルズの一員であった、ジョン・レノンを称えて名づけられた空港ですね。
しかし、ジョン・レノン国際空港は比較的小さな空港で、日本からの直通便はありません。ヨーロッパの主要都市とは結ばれていますが、LCCによる乗り入れが中心です。日本からヨーロッパに飛ぶ場合、フルサービスキャリアの航空会社を利用することになるので、ジョン・レノン国際空港からリバプールに入ることはあまり現実的ではないでしょう。
筆者の場合は、事前に別のヨーロッパの都市に滞在していたため、LCCによるジョン・レノン国際空港への乗り入れが可能でした。日本から直接リバプールを目指すのであれば、方法は主に次の2つかと思われます。
ロンドンを経由するルート
まず一つ目は、日本からロンドンに飛び、そこからリバプールへと向かうルートです。ロンドンには、英国最大の国際空港である、ヒースロー空港があり、日本からの直行便も出ています。また、日本からの直行便だと、値段が高くなるケースもあるため、中東や中国を経由してロンドンを目指すことも可能です。いずれのルートを取っても選べる便の数は多く、ヒースロー空港は日本から最もアクセスが容易な英国の窓口でしょう。
ロンドンに到着後、リバプールを目指す方法もいくつかあります。ここからは国内移動の話ですので、日本国内の移動とイメージもそれほど変わらないでしょう。リバプールもそれなりの規模の都市ですので、ロンドンとは飛行機、電車、バスで結ばれています。
飛行機だと、ヒースロー空港でイギリスに入国後、国内便に乗り換えるイメージです。ただ、料金面を考慮すると、電車やバスで移動する方が良いかもしれません。ロンドンのユーストン駅からリバプールのライム・ストリート駅までは、電車の乗り換えなしで移動することができます。電車だと、運航している会社によって2時間~4時間ほどでロンドンからリバプールへと移動することができます。
他にも、より安く移動するということであれば、ロンドン・リバプール間を運航する長距離バスもあります。バスを使うと約5時間でロンドンからリバプールに移動でき、電車や飛行機を利用するよりもコストを抑えることができます。
マンチェスターを経由するルート
ロンドンからイギリスに入国する以外にも、マンチェスターからイギリスに入国するという方法もあります。マンチェスターにも大きな国際空港が存在し、イギリスの窓口となっています。地理的にリバプールと近いこともあり、イギリス入国後の移動を考えるとロンドン経由よりも便利かもしれません。
マンチェスターへは日本からの直行便はなく、ヨーロッパの主要都市、もしくはアジアの主要都市で乗り換える必要があります。しかし、日本から飛行機でヨーロッパに行く際には大抵乗り換えは必要ですし、直行便よりも値段を抑えられます。
マンチェスターからリバプールへの移動は、地理的に近いこともあり、非常に簡単です。直通列車がいくつか運航しており、路線によって40分~2時間程度でリバプールに到着できます。マンチェスターとリバプールを結ぶ鉄道と言えば、世界で最初の鉄道区間でもあり、産業革命の歴史を感じることもできます。
リバプールの観光スポット
ここからはリバプールの観光スポットで、主に筆者が訪れた場所を中心に紹介していきます。筆者の場合、リバプールにはジョン・レノン国際空港から入りましたので、バスで街の中心地へ向かうところから旅が始まりました。
空港から市街地はそれなりの距離があり、30分から1時間弱のバスだったと記憶しています。筆者にとっては初のイギリスでしたが、バスの車窓から見る景色はイメージ通りのイギリスという感じでした。2階建てのバスに乗り、住宅街を通ってリバプールの中心部へと向かいましたが、住宅街の雰囲気はまさに映画などで見ていた英国でした。
リバプール中心部
空港からのバスが到着したのは、ライム・ストリート駅の前でした。ロンドンやマンチェスターからの電車もここに到着する、リバプールの中央駅です。
ライム・ストリート駅のあたりは人も多く、都市の中心地といった様子でした。ここからリバプール中心地と港湾地区の観光スポットを歩いて回りました。
欧州の街の特徴ですが、中心地は比較的コンパクトにまとまっており、主要な観光地だけなら歩いて回ることのできる場合が多いです。リバプールにおいても、ライム・ストリート駅を中心とした街の中心部と、世界遺産に登録されていたこともあり、観光スポットが集中している港湾地区の距離は近く、歩いて回ることができました。
シティセンターから港湾地区にかけては、ショッピングセンターや現地のパブなどの飲食店が多くあり、賑わっているエリアでした。そんな中、歴史ある建造物や博物館が散在しています。ライム・ストリート駅前にも、一際目を引く建物があります。セント・ジョージ・ホールという名前の建造物で、世界遺産「海商都市 リバプール」の一部でした。
セント・ジョージ・ホールは、1841年から1853年にかけて建造された建物で、裁判所やコンサートホールとして使用されていました。その建造様式はネオクラシック様式と呼ばれ、文化的に貴重な建造物とのことです。中に入ることもでき、豪華なステンドグラスをあしらった内装は非常に美しいものでした。
セント・ジョージ・ホールを見終えると、港の方角へと歩きます。その途上、キャヴァーン・クラブという、観光地としても有名なライブハウスの前を通りました。
キャヴァーン・クラブは、ビートルズのゆかりの地のようですね。1957年にオープンし、リバプールのロック文化の中心となりました。ビートルズもここで何度も演奏していたようです。現在もバンドによる演奏は行われているそうですが、筆者はあまり音楽には精通しておらず、中には入らずに外を通っただけでした。
リバプール港湾地区
キャヴァーン・クラブを通り過ぎると、もう港はすぐ近くです。海が見えるところまで来ると、近代的な建物も目立ち、再開発が進んでいるのがわかります。
世界遺産からは抹消されてしまったリバプールの港湾地区ですが、様々な歴史的建造物や歴史的価値が失われたわけではありません。観光すべき場所はたくさんありました。まず目についたのは、リバプールのシンボルであるライバーバードを掲げた建物です。
この建物はロイヤルリバービルディングと呼ばれる時計塔です。一時期はヨーロッパで最も高い建物であったこともある建造物で、現在も保険会社のオフィスとして使用されているようです。
このロイヤルリバービルディングは、隣にある2つの建造物と並び、The three graces(三美神)と呼ばれています。隣接する2つの建物も非常に壮大で、歴史あるものとしてリバプールの街の象徴となっています。
中央に構えるのが、豪華客船などを保有する船会社、キュナードライン社の旧本社ビルです。そして、右にある建造物は、大きなドーム型が特徴的な、リバプール港ビルディングという建物です。この3つの建物が並ぶ姿は非常に壮大で、まさに街のシンボルという感じでした。
その後、リバプールの港湾地区で訪れたのはアルバート・ドックという建造物です。こちらも世界遺産を構成する建造物の一つでした。
アルバート・ドックのレンガ造りの倉庫は、木材を使わずにレンガをベースに作られた世界初の建造物でした。レンガ造りだと火災に強く、港湾都市として栄えたリバプールにとっては、火災に強い倉庫は非常に価値のあるものだったと思います。
アルバート・ドック周辺には、テート・リバプール、ビートルズ・ストーリー、マージーサイド海洋博物館と言った観光スポットも集中しており、観光客にとっては外すことのできないエリアでしょう。
また、再開発が進んだリバプールの港湾地区には非常に近代的な建物も見られました。その一つが2008年に全館オープンしたリバプール・ワンというショッピングモールです。
リバプール・ワンには、英国の様々なアパレルブランドが店舗を構えている他、リバプールFCとエバートンFCのグッズショップもありました。リバプールファンの筆者としては非常に楽しくなる場所でした。
ここまでいくつかリバプールの中心地、港湾地区の観光スポットを上げてきましたが、他にも回り切れなかった場所がたくさんありました。リバプールの街には、リバプール博物館のような、リバプールの歴史を語る場所もたくさんあります。
また、リバプール大聖堂という、街を象徴するもう一つの建物にも、時間の関係で訪れることができませんでした。次回の楽しみにしておきたいです。
アンフィールド
リバプールの中心部と港湾地区の散策を終えた後は、アンフィールドへと向かいます。宿泊場所もアンフィールドの近くに取っていました。アンフィールドへは、ライム・ストリート駅前からバスが出ていました。バスに乗り、しばらく郊外に行くと、アンフィールド・スタジアムの目の前のバス停に停車します。非常に迫力がありますね。
アンフィールドで試合を観戦した際のことは別の記事で紹介しています。アンフィールドの中の写真や、使用したチケット、雰囲気についても紹介しているので、ぜひご覧ください。
アンフィールドのスタジアム周辺は閑静な住宅街でした。夜はあまり街灯もなく、一人で歩くのはやや心細かったのを覚えています。
試合当日はキックオフまで時間があり、アンフィールドの周辺を散策していました。閑静な住宅街に、試合の日には大勢のサポーターが集まってお祭り騒ぎとなります。筆者が観戦した試合は、当時のプレミアリーグの首位攻防戦だったこともあり、一層の盛り上がりを見せていました。
リバプールFCの本拠地、アンフィールド・スタジアムの隣には、スタンリー・パークという広大な公園が広がっています。非常に自然が豊かで、地元の人が散歩している姿も多く見られ、とても英国らしい風景です。このスタンリー・パークにも、試合当日ということもあって、リバプールFCのシャツを着たサポーターが多く見られました。
そしてスタンリー・パークをアンフィールドとは反対方向に抜けると、エバートンFCのホームスタジアムが姿を現します。スタンリー・パークを挟んでアンフィールドと向かい合っており、文字通りのお隣クラブとなっています。その距離は徒歩で10分もかからない程度です。これだけの近距離に伝統的な2チームが居を構えているのですから、街を二分するダービーマッチの白熱ぶりは凄まじいことでしょう。
まとめ
私がリバプールを訪れたのは2018年のことでした。この時は2泊3日でリバプールに滞在し、街の中心部を散策後、アンフィールドの近くに滞在しました。アンフィールドで観戦したマンチェスター・シティとのゲームは、0-0のスコアレスドローに終わりましたが、リバプールファンとして忘れられない思い出になりました。
リバプールの街の観光スポットを紹介してきましたが、筆者も2泊3日では回り切れなかった場所がたくさんあります。コロナウイルスの影響で、海外旅行に行くのが難しい時期が続いていますが、いつかまたリバプールを訪れたいものです。